少しだけ暖かな秋の丘は彼岸花の花が咲き誇るが、 夜ともなれば、 女のか細い、枯れ枝のような、白い蝋のような腕が 無数に地面から生え出し、空を掻きむしり、 裂けた指先から滴る赤い血と黄色い膿で、 あたりの彼岸花と区別もできなくなるという。 娘たちは、その細いが健康的な腕を二人からめ 彼岸花のマネをしようとして遊んでいるが、 彼女たちには、膿も血も無いから、 到底彼岸花にはなれるわけもない。 また、それが救いなのかも知れない。 そんな少しだけ暖かい秋の日の、 彼岸花の咲く丘でのお話。